2024年度講座スケジュール

メインテーマ
「大河・利根川の将来展望」


第1回
利根は坂東一の川

5月30日(木)18:00〜19:30
会場 中央カレッジグループ本部ビル6Fホール / 受付開始 17:30 開演 18:00

 橋本 淳司 水ジャーナリスト アクアスフィア・水教育研究所 代表 武蔵野大学客員教授


講座のポイント

 地球温暖化にともなう気候変動により世界的に干ばつや豪雨災害が頻発しています。利根川流域に暮らす人々の生活は、利根川の恩恵と脅威とともにあります。利根川の将来についていっしょに考えましょう。

プロフィール

1967年、群馬県生まれ。水ジャーナリスト。武蔵野大学客員教授、東京財団政策研究所「未来の水ビジョン」プログラム研 究 主 幹 。水 問 題についてメディアで発 信し「 Ya h o o !ニュース個 人オーサーアワード2019」、「東洋経済オンライン2021 ニューウェーブ賞」など受賞。主な著書に『水辺のワンダー 世界を旅して未来を考えた』(文研出版)、『水道民営化で水はどう変わるか』(岩波書店)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎)など。

第2回
利根川上流域の流路変遷の歴史と用水路開発

6月20日(木)18:00〜19:30
会場 中央カレッジグループ本部ビル6Fホール / 受付開始 17:30 開演 18:00

 小野 久米夫 小野内科クリニック 医院長


講座のポイント

利根川の上流域である群馬では中世及び近世末に流路の大規模な変流が起きています。長年の研究の結果、古墳時代以来開鑿されてきた用水路が変流路の先行河川となっていたことが判明しました。利根川の流れに翻弄されながら、用水路、水田開発を続けてきた歴史をたどります。

プロフィール

昭和49年前橋高校卒業。昭和55年群馬大学医学部卒業。昭和61年千葉大学医学部免疫研究部大学院卒業。昭和61年米国国立衛生研究所医学研究員。その後勤務医を経て平成20年前橋市川原町に小野内科クリニック開業。医学英語論文多数執筆。地元の患者さんの話をきっかけに利根川と川の変流の歴史の研究を開始し、令和1年「前橋と古利根川」出版。季刊「考古学」、「群馬文化」の書評にて好評価を得ている。

第3回
歴史災害から学ぶ-天明3(1783)年浅間山噴火による天明泥流災害-

7月18日(木)18:00〜19:30
会場 中央カレッジグループ本部ビル6Fホール / 受付開始 17:30 開演 18:00

 古澤 勝幸 やんば天明泥流ミュージアム 館長


講座のポイント

歴史災害を学ぶことが防災対策への第一歩です。天明3(1783)年8月5日の浅間山大爆発でおこった天明泥流は、吾妻川・利根川流域に甚大な被害を及ぼしました。この災害の状況と、救援、復旧・復興はどのように行われたのかを探ります。

プロフィール

國學院大學文学部史学科卒。群馬県内小中学校教諭を経て、群馬県立歴史博物館、群馬県教育委員会文化課、群馬県世界遺産課、群馬県教育委員会文化財保護課に勤務し、2019年文化財保護課長を最後に県庁を退職。2019年は群馬県世界遺産センター設置準備に携わる。2017年から長野原町が設置した「(仮称)水没文化財保存センター設置にかかるWG」の座長を務め、2020年から長野原町に勤務。2021~2024年「やんば天明泥流ミュージアム」館長。

第4回
利根川ダム開発の歴史

9月19日(木)18:00〜19:30
会場 中央カレッジグループ本部ビル6Fホール / 受付開始 17:30 開演 18:00

 梶原 健嗣 愛国学園大学人間文化学部 教授


講座のポイント

利根川上流部の治水・利水の歴史は、ダム開発の歴史でもある。戦後、利根川に建設された多目的ダムだけを見ても、そこには時代を反映した類型が存在する。利根川ダム開発という「ミクロ」を通じて、当時の時代状況という「マクロ」が垣間見えるような講義にしたい。

プロフィール

1976年生まれ。東京大学大学院新領域創成科学研究科修了。博士(学術)。愛国学園大学人間文化学部教授。専門は、近現代河川行政史、同水害史、水道事、利根川研究ほか。主要業績に、『戦後河川行政とダム開発―利根川水系における治水・利水の構造転換』(ミネルヴァ書房2014、水資源環境学会・学会賞(2016))、『近現代日本の河川行政―政策・法令の展開:1868~2019』(法律文化社2021、環境経済・政策学会学術賞(2022))、『都市化と水害の戦後史』(水資源環境学会叢書8、成文堂2023)『長良川河口堰と八ッ場ダムを歩く』(伊藤達也との共著、成文堂、2023)。現在,滋賀県史編集委員(琵琶湖・環境部会)。

第5回
下流域から見る利根川の治水と利水

10月24日(木)18:00〜19:30
会場 中央カレッジグループ本部ビル6Fホール / 受付開始 17:30 開演 18:00

土屋 信行 公益財団法人リバーフロント研究所審議役 全日本区画整理士会理事 水害BCP推進協議会事務局長 ものつくり大学非常勤講師


講座のポイント

利根川は徳川家康が今から約400年前に、「利根川東遷事業」を行ったことで、日本最大の流域面積を擁し、関東平野のほぼ中心を流れ下る大河川となりました。渡良瀬川、鬼怒川、小貝川などの川を人為的に合流させたことで背負うことになった危機と恵みを解き明かします。

プロフィール

1975年東京都入都。建設局、下水道局、多摩都市整備本部、江戸川区、などを歴任し、2011年 公益財団法人えどがわ環境財団理事長。2012年 公益財団法人リバーフロント研究所理事。この間、環状七号線、環状八号線、秋葉原及び汐留再開発事業のまちづくり設計を行った。江戸川区では、放置自転車ゼロ対策に取り組み、日本一の葛西地下駐輪場を完成させ、日本土木学会賞を受賞した。特に災害対策では、ゼロメートル地帯の洪水の安全を図るため、平成20年度に、海抜ゼロメートル世界都市サミットを開催し、現在も幅広く災害対策に取り組んでいる。東日本大震災の復興まちづくりの学識経験者委員として、宮城県女川町の復興に取り組んだ。2022年日本水大賞市民活動賞受賞。著作:「首都水没」「水害列島」文春新書、「災害列島の作法」主婦の友インフォス。

第6回
関東平野の誕生-不思議な群馬-

11月21日(木)18:00〜19:30
会場 中央カレッジグループ本部ビル6Fホール / 受付開始 17:30 開演 18:00

竹村 公太郎  日本水フォーラム代表理事事務局長


講座のポイント

日本史の中で当然と思っている中で不思議なことがある。その一つに徳川家康の江戸帰還である。1600年関ケ原で勝った家康は、京都に背を向けて江戸に帰ってしまった。なぜ、家康はあの不毛で悲惨な関東に帰ったのか?その答えこそ関東平野の誕生にあった。

プロフィール

1970年東北大学土木工学科修士。建設省に入省し、河川行政に従事。1998年に河川局長に就任し、2002年に退職。著書:「日本文明の謎を解く」、「土地の文明」、「幸運な文明」、「日本史の謎は『地形』」で解ける」(PHP文庫4部作)「水力発電が日本を救う」(東洋経済)「浮世絵と地形で解く江戸の謎」(集英社)など多数。