旧暦で、7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋と呼び、仲秋とは8月の別称で、「仲秋の名月=8月の名月」と云う意味になります。秋のちょうど真ん中の日が中秋で、旧暦の8月15日が中秋に当たります。「中秋の名月=8月15日の名月」と云う意味になります。十五夜のときは「中秋の名月」と書く場合が多い様です。
今は、太陰暦(旧暦)から、太陽暦になって中秋の名月が年によって変わります。
もう少し掘り下げると、実際の月は公転周期は27.32日。また、地球も公転運動で動いており満月から次の満月になるのは29.53日となります。暦上での1ヶ月と、実際の月の動き(29.53日)にズレが生じます。具体的には1年が29.53日×12で354.36日となり、実際の太陽が1周する365.25日には11日足りません。言い替えると、毎年11日ズレることになります。つまり「中秋の名月」は太陽暦では、この日と固定できないことになります。
今年の中秋の名月:十五夜は10月4日(水曜日)となり、満月は10月6日(金曜日)です。果たして、その時の天候は?晴れることを期待しましょう。
十五夜の時に供える月見団子は、穀物の収穫に感謝を表すため、月のように真ん丸団子を作ってお供えしたのが、月見団子の始まりの様です。また、ススキ(芒)を飾るのは、稲穂をイメージしてのことでしょうか、本物の稲穂を供えることもあるようです。
「十三夜」とは、十五夜の後に巡ってくる十三夜をさし、旧暦9月13日のお月見のことを云います。十五夜から約1か月後に巡ってくる十三夜は、十五夜に次いで美しい月だと云われ、昔から大切にされています。十五夜または十三夜のどちらか一方のお月見しかしないことを「片見月」と呼び、縁起が悪いと云われています。
また、十三夜には栗や枝豆を供えることから「栗名月」「豆名月」とも云います。今年の十三夜は11月1日(水曜日)となります。
以上、これらの根底に流れているものは、農耕民族の「五穀豊穣」にあると思われます。
石川茂弘
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