セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、 スズシロ。
春の七草ですが、この中で今日の一般的な呼び方と違うものもあります。
ゴギョウ:ハハコグサ
ホトケノザ:コオニタビラコ
スズナ:カブ
スズシロ:大根です。
今回の主役はその中のゴギョウ。
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牧野富太郎は昭和32年逝去ですが、その後発刊された牧野新日本植物図鑑(昭和36年初版、翌37年7版)には
ゴギョウについて「ほおこぐさ(おぎょう、ははこぐさ)」で
ゴギョウは誤りと記載されています。
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別の牧野富太郎選集ではオギョウは「御行」と書き、 それをゴキョウというのは良くなく、
「五形」 と書くのは非ともあります。
また、この草の本名は「ホウコグサ」でハハコグサは今日(当時) の通称、
それを「母子草」と書くのも間違いとしています。
これは文徳実録(文徳天皇御一代の歴史書) の著者が因縁話を仕組み、
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しかし、 牧野新日本植物図鑑にはホウコグサは茎や頭花の冠毛もほおけ立っ ていることからついた名で、
それを旧仮名遣いで「ハハケル」 と書いたことから「母子」 の当て字が生じたと思うとの記載もあります。
「真実はいつもひとつ」なのか分かりませんが、 植物の名前一つにしても歴史を感じさせてくれますね。
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なお、 3月の雛の節句には草餅にそのホウコグサを入れてついていたそうです 。
昔、もち米ができなかったころ、普通の米では餅にならないので
つなぎとして入れたとか。
草の葉の表裏に生えている白い毛がつなぎになったらしいですね。
それがどこにでも沢山あり葉も大きいヨモギにその座を奪われたよ うです。
ちょっと悲しいかな。
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千葉県の土気辺りではホウコグサを用いる習慣が残っていたそうで すが、現在ではどうでしょうか。
ホウコグサ、ゴギョウ、ハハコグサ、名前は色々ですが、 今度それを入れた草餅を作ってみようかな。
タイムスリップできるかも。