関東地方も梅雨入り、ということでしばらくは雨が多くなるのでしょうか。
先人たちは、雨を涙になぞらえ、雨を詠んだ短歌・俳句にはやはりしみじみと物悲しい気持ちを表したものが多いのですが、『千載和歌集』の中にこんな一首があります。
大空の 雨はわきても そそがねど うるふ草木は おのがしなじな 源信
大空から降る雨は分け隔てなく降り注いでいるが、その雨で潤う草木は各自が様々である。と詠われています。私にとっては関節痛等が気になるいや~な梅雨時ですが、勿論植物にとっては恵みの雨にもなるわけです。
また、この歌を詠んだ源信は高名な僧侶ですので、「同じ教えや言葉でも、受け手によって好くも悪くも取れる」という解釈も為されています。
ネットワークの発達で情報の受発信がとっても軽快になった現代社会ですが、教訓として心に留めておきたいことだな、と雨空を見るたび自戒しております。
齋藤一行